波の重ね合わせによる相互干渉
音響と干渉波
- オーディオ再生のネックは、
音、つまり波の持つ性質により、
「結合音」や、「定在波」による「唸り」、音像の「滲み」や「濁り」などが、
発生することです
- オーディオ再生を行うときに、
ネックとなっている音場の「結合音」や、
「定在波」による「唸り」、音像の「滲み」や「濁り」等は、
空気を伝わる波が壁面等で反射され、
音場の波同士が衝突することで、波の相互作用や共鳴により、
波の形が変化したものなのです
- 例えば、
スピーカーにより再生された(ア)という一音は、
オーディオを聴いている部屋の中を、
山彦のような反射により、一秒間に100回以上も衝突を繰り返し
減衰していきます
- 反射した(ア)という一音は、
波の重ね合わせの原理に従い、
衝突した波の数だけ(ア)〈ア〉《ア》<ア>≪ア≫のように
合成された音へと変化し、
減衰していきます
- このように、
波同士が衝突し、
波の重ね合わせにより
原音とは異なる波へと変化していく波を、
線形波と呼んでいます
- 現実にオーディオを再生している部屋では、
連続した無限の音の強弱や揺れを持った
無数の波が重なり合うことで、
無限ともいえる合成された波(音)に埋め尽くされているのです
- 私たちが聞き取れる反射音の回数は、
5回程度といわれていますから、
原音と極端にかけ離れた合成音は、
聴かないで済むことになります
- このように、
普通の波(線形波)の部屋では、
「結合音」や、定在波による「唸り」、音像の「滲み」や「濁り」などは
必然的に発生しているのです
このような波の性質ゆえに
- 私たちは、
原音に収録されている音ではなくて、
波の重ねあわせにより、原音が変化した合成音を聞いている
ことになります
- 重ねあわせにより合成される音は、
再生する部屋の形状や調度品などの配置による反射環境により、
合成音も変化してしまいます
- これは、
同じ音響機器を設置したとしても、
再生するする部屋の環境により、再生音が異なることを意味します
- このように、
再生する部屋の反射環境と、波(線形波)の持つ性質により
無数の合成音が生み出され
「結合音」や「唸り」、音像の「滲み」や「濁り」
などを発生させているのです
- 波の重ね合わせの発生する部屋や車内では、
「現実に、録音/再生音の物理的忠実性は成り立たない」
ということになるのです”